元記事:【日本の議論】PTAは必要か?…暗黙ルール「全員参加」の酷、「平日お掃除会」「ハンドベル」とは、高まる議論 - 産経ニュース http://www.sankei.com/premium/news/150531/prm1505310019-n1.html
全員参加(=PTAは義務だから)という認識が、多くの問題の引き金になっています。
メディアや関係者はこれを「PTA内部」だけの問題と扱っていますが、さらにその「源」については学校からの第三者であるPTAへの個人情報の無断提供と、それを元にした強制加入です。
これは各自治体の個人情報保護条例では完全に黒であるにかかわらず。平然と行われ続け、その結果、人権問題を含む多くの問題を生み出しています。
PTA内部では、学校からの個人情報に加え、役員免除の条件として診断書を提出させたり、家庭の事情などセンシティブ情報公表の強要も日常的に行われています。
さらに問題なのは、PTAは個人情報保護法や条例の適用外ですので、名簿屋に売っても法令的には何ら問題がないということです。
学校から第三者であるPTAに無断で個人情報を提供することを止めさせられれば、PTAの問題の9割は改善に向かうと考えます。
2. PTAが忌み嫌われる「3大原因」はこれだ! なぜか横行する「無理」と「無茶」 - 東洋経済オンライン
大塚 玲子 :編集者、ライター 2015年05月22日
http://toyokeizai.net/articles/-/70186
コメント:
まず学校からPTAへ個人情報が日常的に漏洩していること(自治体による法令違反)をなくさなければなりません。
学校から個人情報を「PTAに渡すぐらいいいじゃない」と、お考えの方も多いと思いますが、個人情報保護で注目する点は「漏洩」そのものだけでなく「名寄せ」というところが非常に重要です。
「名寄せ」とは、複数の情報をつきあわせることによって情報の精度や関連を高めるという手法です。
一つ一つの個人情報の範囲は狭くても、他の個人情報との名寄せを行えば、簡単にベネッセ事件で漏洩した程度の「売れる情報」を作ることができます。
いま行われている個人情報保護法の改正では主に「企業に対して」どこまでがグレーでどこからが黒なのかということについてや、どういった利用が可能か、ということをより明らかにしていこうという流れですが、これはあくまで、企業が保有する個人情報や、企業がグループ会社等に提供する個人情報、の範囲というところにフォーカスがあります。
またどこから情報を入手するのかについては、いわゆる「名簿屋」について話されますが、これは主に「不正競争防止法」がベースとなる観点からのものです。
一方学校からPTAに漏洩した個人情報については、この議論に登場することはありません。
PTAには個人情報保護の義務や法令はありませんから、PTA会員情報を内部の者が名簿屋に売ろうが何しようが法的な問題はありません。(倫理的な話ではありません。念のため)
名簿屋が個人情報を買い取る場合も、企業から漏れた場合とは異なり、PTA内部から「合法的に」個人情報を入手することが可能なのです。(ちなみに、これまででも卒業アルバムの売買は禁止されていません)
さらに、役員を免除してもらうために無理に話さなければならなかった理由、たとえば持病のことや家族に介護が必要な人がいること、その他プライベートな事情、があればあるほど非常に「価値の高い」個人情報となるわけです。
このことから、実際の名寄せでは、学校からPTAに漏洩した個人情報を名簿屋経由などで「合法的に」入手すれば、企業の持つ個人情報と学校から漏洩した個人情報の名寄せが「問題なく」可能です。
ベネッセ社からの漏洩は社会問題となりましたが、いま学校現場で無邪気に行われている個人情報漏洩は、実は現実社会的にはそのくらいインパクトのあることなのです。
企業側での個人情報保護についての議論はかなりされていますが、その方々でさえこの件については触れる方はいないようで残念です。しかしいくら企業側の取り扱いを厳しくしても、裏口が開いたままということになってしまいます。
「PTAから名簿を売る人が悪い」や「そんなひとはいない」と言うことは簡単ですが、ベネッセ事件においても1人を除いた従業員や契約先のひとたちは当然そのような行為はしていないわけですが、逆に1人でも実際にそれをする人がいるということの証でもあるわけです。
つまり、これを解決するためには、個人の資質や行為の問題にしてはいけなくて、まず仕組みの問題として取り組む必要があるのです。
この記事の内容は各PTA内部の問題ではありますが、学校から第三者である任意団体のPTAに無断で個人情報を提供することを止めさせられれば、PTAの問題の9割は改善に向かうと考えます。
このことを、多くの皆さんに知って頂きたいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿